義務教育で学んだ「勉強」とは、決まった科目各々をテキストの元に、テストに高得点を目指して知識を記憶し、繰り返し問題集を練習することです。しかし、このような学習スタイルは、人間が本来持っている学習能力を妨害しています。本稿では、その妨害について考察し、真の学びを取り戻すための方法を提案します。
1. 科目という固定観念の害
知識は本来、「科目」というはっきりした区切りを持ちません。科目はあくまでも研究しやすくするための一つの視点に過ぎません。実際の学びは、様々な分野が有機的につながっています。
例えば、現代社会における消費主義の問題を考えてみましょう。ファストファッションの流行がもたらす自然資源の浪費、環境への悪影響、生活費への圧迫、低賃金労働の強要など、様々な問題について調べると、消費主義の歴史、労働者と生産者と消費者の関係、欲望のコントロールなど、社会科学の多様な視点から理解を深めることができます。
2. 学習目的の歪曲
知らないことを知りたいという好奇心は人間生まれつきのものです。興味のある領域を自由に研究することは楽しいはずです。しかし、現代の教育システムは、この自然な好奇心を抑制し、外部からの評価基準に従うことを強いています。
1. 資格勉強への偏重
大人の学びは「資格勉強」に偏重する傾向があります。「大人の教養」は「自己満足」「娯楽」として軽視されがちです。しかし、「知らないことがわかるようになった」喜びこそが、学びの本質ではないでしょうか。
2. 経済的合理性の罠
現代社会の競争において、「如何に早く自分の価値を見せるか」が重要視されます。自分の興味に導かれてゆっくりと独自の知識体系を構築するよりも、決まった科目や資格テストで高得点を取ることが「経済的合理性」を持つとされています。
1. シンプルライフの提案
生活に必要な最低限の金額を見極め、それをベースに考えることが重要です。高い経済的目標を設定すればするほど、真の自己実現を抑制する期間が長くなり、達成も困難になります。シンプルライフは、真の自己実現へのハードルを下げる効果があります。
2. 自由な探求心の回復
最低限の生活基盤を確保できたら、子どものような自由な探求心を取り戻しましょう。テストの指標から離れ、既存の学問分野の枠にとらわれず、関心のある問題に打ち込んで自由研究を楽しむことができます。
学校教育の「呪縛」から解放され、学びの本来の喜びを取り戻すことは可能です。それは、子供の頃に図書館で本棚を巡り、知りたいことを探求していた純粋な好奇心に立ち返ることから始まります。
本稿で示した考察と提案が、同じような思いを持つ方々の参考になれば幸いです。真の学びの喜びを取り戻す旅は、既に始まっているのです。
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